『進む道』
人は年齢を重ねていくと、
不安が大きくなっていく。
小学生、中学生の頃は、
みんなが同じことをしていたから、
得意なこと、苦手なことに大きな差はなかったけど、
大人になると、
得意なこと、苦手なことに大きな差が出来る。
あの人が出来るのに、
自分には出来ない。
そういうものが増えてきて、
どんどん不安になる。
努力しても、あの人には勝てないだろうという無力感を感じ、『自分の存在の意味』を実感できなくなる。
大人になったら、
誰もが1回は感じると思う。
私は、何度も感じた。
あの人は出来るのに、
なぜ、私は出来ないのだろう。
スポーツ、勉強、仕事のスピード。
『自分の存在の意味』は何だろうと。
そして、少しずつ、
自分の勝ってる能力は何だろう。
そう、思ってしまった。
『勝ってる能力』が、存在意義になる。
そう思ってしまってから、
幸せなんて来なかった。
努力しないと得られないものに、
本当の幸せなんて感じられない。
達成感とか、やり甲斐とか、
そういうものに頼る幸せなんて、
いつ壊れてもおかしくないから。
私は、そういう人間だった。
努力して苦しまなくても、
『自分の存在の意味』を感じたい。
弱く、わがままなのは分かってるけど、
立ち止まっても、何もしなくても、
『自分の存在の意味』を感じたい。
それが、私の幸せ。
たしかに、弱いし、わがまま。
怠けてるって思われるかも。
でも、
『自分の存在の意味』が、
絶対に失われないようになったら、
安心して、
どんなことにも頑張れると思うから。
何があっても、
自分のために生きてくれる人がいる。
そんな人がいれば、
何があっても怖くない。
今までよりも、頑張れる。
それが、私の幸せ。
だから、
『勝ってる能力』が、存在意義になる。
私の身近な人には、
そういう考え方をして欲しくない。
私にとって、あなたは、
居てくれることに意味がある。
私にとって、あなたは、
存在することに意味がある。
私も、そう思ってくれる
だれかがいたらいい。
『私の存在の意味』が、
『存在すること』になるように。